月曜日、サクラスーパー本社ビル

雫はビルの前に立っていた

「ここが竜二さんの仕事場……」

雫はビルの中に入っていった

「あの、若宮と申しますが……」

「はい、こちらへ」


エレベーターの前に案内される

「六階へお上がりください」

エレベーターが到着すると中に手招きされた

「ありがとうございます」



六階につくと目の前に真木がいた

「いらっしゃいませ、こちらへ」

部屋に案内される


「どうぞ、おかけ下さい。部長はもうすぐ来ますから」

「はい」

「可愛いワンピースですね」

「あっ、昨日買ってもらいました」

「指輪も左手の薬指なんですね」

「誕生日にいただきました」

「いつでもあのエステも利用していいですからね」



「私には勿体ないです。贅沢すぎます。まだ学生ですから」

「お若いですね、でも……」

真木は席を一度外して化粧ポーチを持って戻ってくる

「少し下を向いて」

真木は雫にビューラーをしてくれ、軽くマスカラも付けてくれた



「派手じゃなくていいから少し上げるとお顔も華やかに見えますよ」

「ありがとうございます」



「若宮様も指輪もらったのなら少しは覚悟をなさらないと」

ニコッと真木は笑った

「いつでも相談にのりますからね」

「はい??」


真木は新しい口紅を渡した


「この口紅ね、食事しても食器に着きにくいの、外での食事の時は使うといいですよ。どうぞプレゼントです」

「えっ、こんな高いものいいです」

「この間手伝ってくれたお礼と誕生日プレゼントです」

「そんな、私何もしてません」



断っていると竜二が戻ってきた

「来てたのか」

「はい、あの……」

「ん?」

真木が口紅を持っていて渡す素振りをみせる



「ああ、雫ちゃんそれ付けて」

「でも……」

真木がリップブラシを出して雫に口紅を塗る


「りゅ、ぶっ」

雫は大人しく口紅を塗られた

「それは彼女が雫ちゃんの為に選んだものだからありがたく頂くといいよ」

真木はにっこり頷いた

「色々教えてもらうといい」



(何を教えてもらうんだろう……)

「お食事になりましたか?」

「ああ、それから直帰するから」

「かしこまりました」



「何かあったら電話してくれ」

「はい」

「行くよ、雫ちゃん」

「はい」

雫は立って真木に頭を下げて竜二についていく

エレベーターに二人は乗り八階を押す