二人は食事を済ませて店を出た

「これからどうする?まだ呑める?」

「私だけ呑んでも……部長も明日お仕事なので帰ります」

「じゃあ、送るよ」

「ありがとうございます」



二人は車中で話していたが雫の言葉が聞こえなくなってきた

竜二は車を停める


「若宮さん、もう着くんだけど?」



雫はスースーと寝息を立てていた


(参ったな、鍵……鞄開けるわけにもいかないし)






高層マンション 朝 竜二の部屋

雫は目を覚まし目を開けると高い天井が……


「ここ……どこ?」


雫は体を起こして辺りをキョロキョロ見回す

(えーっと食事終わって……)



ガチャンとドアが開くとシャワーを浴びたばかりの竜二が頭にタオルをかけてTシャツとスウェットで入ってきた


「あっ、起きた?おはよう」

竜二は朝から爽やかな笑顔で微笑む

「おはようございます。あのここは?」

「俺の家」


雫は青ざめる


「わ、私何かやらかしましたか?すみません全然覚えてないんですけど……」

「(笑)どこまで覚えてる?」

「店を出たのは覚えてます。部長にご迷惑かけてしまって申し訳ありません」



ベッドの上で土下座する

「頭上げて」



竜二はベッドに上がり雫の頭を起こす



「よかった!俺との会話は覚えてるんだね(笑)昨日車に乗ってから少ししてから寝てしまったんだよ。鞄から鍵出すのも悪いからここに運ばせてもらったよ」


雫は頭を起こされると窓を見た

「えっ」

窓のほうに歩いていく

「マンションだ!運ぶってあの……」

「ちゃんと大事にお姫様抱っこで運んできたよ(笑)」


「すみません!重かったですよね?本当にすみません」

ペコペコと頭を下げる



「全然(笑)、気にしないで」

「あっ、もしかして仕事遅刻させてませんか?私が起きなかったから」

「大丈夫、それならゆっくりシャワーしてないし、置き手紙してる。今日は午後から別の店舗に直接行くから大丈夫だよ。それより何か食べに出よう」

「あ、いえそんな甘える訳には……家に帰ります。ここはどこですか?」

「高木町だよ」

「大学の近くなんですね」

また、窓に寄って外を見る



「あっ、見えました(笑)凄い高い!」