竜二のマンションに帰ってきた
「雫ちゃん、疲れたろ?お風呂入っておいで」
「はい」
「足痛くない?だいぶ歩いたからね」
「少し痛いですけど皮とかはむけてないです。入ってきますね」
竜二は浴室の雫に声をかけた
「雫ちゃん」
「はい?」
「着替え置いておくから」
「はい?」
(着替え持ってきてたはず……)
二十分後
雫が浴室からパジャマの上にバスタオルをかけて出てきた
「竜二さん、これ……」
「プレゼントだよ。俺入ってくるね」
竜二は上半身裸にバスタオルをかけて出てきた
「あれ?雫ちゃん?」
リビング、寝室にもいなかった
雫の部屋をノックしてあける
「いた……雫ちゃん」
雫はドアから後ろ向きに座っていた
竜二はお姫様抱っこをして雫をリビングに連れていく
「竜二さん、は、裸……」
「俺、夏は風呂から出たらしばらくこの格好だよ。雫ちゃん夜いないからだね(笑)」
「こ、これ、ありがとうございます」
「うん、フリフリで可愛いよ」
「あの……透けてて恥ずかしいんです」
「それでタオル巻いてるんだ(笑)他に誰もいないんだから」
雫をソファーに座らして冷蔵庫からビールを出してくる
「乾杯しよ」
「はい、乾杯です」
「今日はありがとう。手伝ってくれて」
「いえ、楽しかったです。明日は店舗行くんですか?」
「うん、気になるから少しだけ顔だしてくる」
「何時に出ますか?」
「六時に起きるくらいかな」
雫は冷蔵庫から簡単なつまみを作って持ってくる
「雫ちゃんて本当にすごいなーと思って……見るとこが違う」
「そんなことないですよ、竜二さんだって唐揚げや景品や飲み物の手配ちゃんとしてたじゃないですか」
「うーん、でもお客側に立てなかった、雫ちゃんがしてくれた衛生面とかね」
「あの時間は家族連れが多いし子供はこぼしますからね、汚い場所に誰も座りたがらないので」
「助かったよ」
「私こそ初めてエステにも行かせてもらいましたし、浴衣もパジャマもありがとうございます。お金たくさん使わせてしまって」
「彼女の初めての誕生日だからね」
「汗かいたので、明日クリーニングに出しますね。大事にしまっておきます」