二人は手を繋いで売り場に行く
山口がやってくる
「戻りました。あっなんかすみません、部長をお借りして」
「いえ、想定内ですから」
「進藤さん達にもお弁当配ってきました」
「まだ詰めが甘いな、怒鳴ってしまった」
「竜二さん、駄目です。お祭りなのに怒鳴ったらー」
雫はぷぅっと頬を膨らませた
「(笑)ああ、反省してる」
雫の膨らませたほっぺたを触る
「紙とかマジックとか私、借りにいったんですからー」
「何したの?」
「枝豆のメニュー増やしたので書いて貼りました。唐揚げが追い付かないと思って」
「この値段で?」
「こういう時は売れるんです」
「部長、参りました(笑)」
「だろ?この祭りの案は俺じゃないからな、彼女の案だから」
「そうなんですか?」
「俺はいつもの惣菜を売ろうと思ったんだけどな、ダメだって言うから……チューハイも入れたんだろ?」
「女性は喜ぶかなと思って、へへっ」
「喜んでたよ(笑)」
「部長、食べてください」
「そうだな、財布出して」
二人はテーブルについて乾杯する
「お疲れ様」
「お疲れ様です」
「食えないかもと思った。雫ちゃんに申し訳なくて、今度またゆっくり食事に行こう」
「でも楽しいですよ」
「部長」
真木がやってきた
「あー、やっと合流したよ」
(綺麗な人……)
雫はじーっと見てしまった
「雫ちゃん、俺の秘書」
真木は名刺を渡した
「初めまして、若宮雫です」
雫は立ち上がって挨拶する
「今日のエステと浴衣、彼女が全部手配してくれた」
「そうだったんですか?キレイにしてもらいました。ありがとうございました。」
「こーら、自分でキレイって言うな(笑)」
「あっ、すみません。私のことじゃなくてお肌の事です」
「そっか(笑)」
(部長がずっとニコニコしてる……)
「こちらこそ、会社のイベントにお手伝いしていただいて助かりました。あと少しですがゆっくりしていって下さい」
真木はビールを二本置いていく
「待て、お前が出したんだろ?釣りはいい」
竜二は真木に千円を渡した
「はい、では失礼します」
頭を下げて去っていく
(竜二さん、行動もスマート)
雫はニコニコして枝豆をつまむ