夏祭り会場に着いた
「わっ、凄い人だな」
山口に電話する
「着いた、どこにいる?」
「店舗の入り口です」
「雫ちゃん、ゆっくりね」
手を繋いで引っ張っていく
山口は雫に頭を下げて挨拶をした
「始まる前から凄い人で開始を早めたんですけどビールが凄くて」
「それは朝連絡しただろ」
「はい、でも九時まではもたないかもしれなくて」
「他の店舗も連絡入れて向こうから運ばせろ、俺が電話する。とりあえず先に近くの店舗のを早く持って来させろ」
「はい、あと子供の遊ぶものが」
「美咲は?」
「電話してます」
「竜二さん、社員証かけますか?」
雫はバックから取り出した
「かける、ごめんね、歩くの気をつけて」
「大丈夫です」
「もしもし?厨房の手配していたのを誰か持ってきてください、足りなくなってます」
「もしもし?飲み物を大至急会場へ、誰か運んでもらえますか?間に合わないんです」
「山口、景品を増やせ、ティッシュとラップとお菓子を足して」
(一時間はこの店ので持つはず……その間に他の店舗のが間に合うか……夕方のラッシュ時間だ)
「竜二さん」
「あっ、ごめん、何?」
「座るとこが足りてないです」
竜二は美咲の会社の車に走って向かう
「美咲」
「あっ、竜二」
「お前、椅子とテーブルが全然足りてないぞ」
「こんなに多いとは思わなくて、お客は回転するから」
「ちゃんと想定しろ!多かったら次の対処を考えろ」
「今子供の遊ぶものが無くなってきたからそっちの手配をしてたの。今スタッフに買いに行かせてる」
「子供に立って食わす気か?乳幼児もいるんだぞ!」
「竜二さーん」
雫が小走りで来た
「危ないから走るな」
「ハアハア、あのね、社員の人の中でね、農家さんとか畑してる人とかいないか聞いてみて。コンテナがあればひっくり返したら椅子とテーブルになる」
「わかった。美咲、こっちでする」
竜二は店舗の中に入ってスタッフに聞いていく
「あっうち祖父のところにあります。聞いて見ます」
「私も聞いてみます」
「トラック置いて帰っていいですかって、来たら飲みたいそうです」
「構わない。助かる。地下駐車場のほうに来てもらってくれ」
竜二は山口に電話する
「山口、地下駐車場にコンテナが届く、それを椅子とテーブルにするから地下に行ってくれ」
「はい!」
「店長、店のレジを二つ塞いで下さい。景品とかをその塞いだレジで通してもらって下さい」
「わかりました。では景品の手配をします」
雫は店から枝豆と紙コップを持ってレジに行く
(あっ、別がいいよね)
店長が塞がれたレジでラップを通していた
「このレジ、景品用ですか?」
「はい、別にしてます」
「これもお願いします。売ります」
「はい」
レジを通して雫に渡す
(社員証…でもしてたよな)