八月四日、竜二のマンション

雫は朝食の支度をしていた

「おはよ、雫ちゃん」

「あっ起きましたか?」

「うん、起きたら雫ちゃんいないんだもん、休みなんだからゆっくりすればいいのに」



雫に寄っていって朝のキスをする

「雫ちゃん、おめでとう」

「ありがとうございます(笑)」

「モーニング行ってもよかったのに」

「何か目が覚めてしまったので献立考えてたら作ってしまいました」

「今日何かしたいことある?」

「特には……お祭り楽しみです。雨も大丈夫そうでよかったですね」

「うん、そうだね」

「きっとビールがよく売れますよ」

(山口にメールしとくか、雫ちゃんの勘は当たるからな……)




‘近くの五店舗くらいにビールをいつもより多く冷やしておくように’

‘了解です’


(山口はもう会場行ってるだろうな)

「どこで食べるんですか?」

「駐車場にパイプ椅子とテーブルを置くってなってたよ。それは向こうが借りて用意するって書いてあった」

「私達は何時頃行くんですか?」

「七時くらいかなー、遅い?早い?」

「一番ピークくらいですね」



「とりあえず午前中はゆっくりしようよ、二時から連れて行きたいとこがあるんだ」

「はい、どこですか?」

「(笑)内緒」


竜二はソファーに横になってテレビを見ていた

「雫ちゃーん、ゴロゴロしようよ」

「これだけ干しちゃいますね」

普段通り家事をこなしていた



「終わりました」

雫は竜二の側にちょこんと座る

「雫ちゃんの好きな食べ物は?」

「私ですかー、えっと素麺と」

「あの素麺だし美味しかったね。俺も好き!雫ちゃんの手作り」

「母に教わりました。あとはお寿司と炊き込みご飯です」

「炊き込みご飯はまだ俺は食べたことないよ?」

「竜二さんは基本夜にご飯を食べないじゃないですか」

「うん」

「だから作ってません」


「朝御飯は食べるよ?」

「朝はタイマーで炊いてるでしょ」

「うん」

「タイマーでは駄目なんです。すぐ炊かないと」

「じゃあ、今日金曜だから明日の昼は?」



「朝買い物行けば大丈夫ですよ。じゃあ明日作りますね」

「やった!」



(こういうところが可愛いんですよ(笑))

「昼にお寿司の出前取る?」

「いいんですか?」

「うん、夜はお店に連れていってあげられないからね。うちの商品だし、何のネタが好き?」

「ウニとイクラと貝、何でも好きです」

「じゃあ適当に注文するよ」

「はい」