サクラスーパー本社
夕方、山口が尋ねてくる
「昨日はご馳走さまでした。見ていただけますか?」
「ああ、呑みすぎたな。大丈夫か?」
「なんとか(笑)」
竜二は書類に目を通す
「よく出来てる。ん?お前企画者のところ……」
「はい、部長と共同企画にしました。社内だけですけど、他の社員も部長の名前があると協力してくれるかなと(笑)進藤さんのほうには入れてません」
「助かる」
「僕に会わしたのは訳ありだと思いまして」
「まあ、あまり関わりたくないかな」
「では提出してきます」
山口が出ていった
竜二はパソコンを見ていた
(ん?この店舗売上げが急に落ちてる)
すぐ店舗に電話を入れる
「もしもし、総務の真中です。お疲れ様です。店長は?休み?今からそちらに向かいます」
部屋を出て真木に行き先を告げる
「ちょっと舟木店に行ってくる」
「はい、いってらっしゃいませ」
サクラスーパー舟木店
店の裏から入っていく
「失礼します」
「部長わざわざすみません」
竜二は名札を見た
(さっき電話に出たのが内田さんか)
店長室に入る
「店長の休みの理由は?」
「夏風邪と連絡がありました」
「店舗の中を見させてください」
「はい」
二人は店舗の中を巡回する
「店舗内、少し暑くないですか?」
「私はずっと中にいるのであまりわかりませんが」
「空調は?」
「同じままです」
竜二は室外機を見に外に出た
(ん?音が少し他と違うか?)
竜二は会社に電話をかけた
「真中です。経理につないで……ああ、お疲れ様。舟木店の五月の支出を出してくれ……エアコンの掃除は入ってるか?」
「入ってません」
「いつもどこの業者に頼んでる?電話番号を……ありがとう」
竜二は店の中に入る
「内田さん、今年エアコン掃除が入ってないみたいですが……」
「そういえば……見てないですね」
「さっき電話したんですが繋がらないんです」
「すみません、店長じゃないと……」
「ああ、内田さんを責めてる訳じゃないですからね」
竜二は電話をする
「お世話になります。サクラスーパーの真中です。今、舟木店にいるのですが誰かこっち方面回ってる人を一人回して欲しいのですが……はい、御願いします」
スタッフルームに休憩中のパートさん達が何人かいた
「お疲れ様です」
竜二は声をかけた
「お疲れ様です」
「この間面接したけど他に気づいたことはないですか?少し売上が落ちてるみたいなんですが……」
「あの、先月西側にあった会社が潰れたので従業員の人達が来なくなったのもあるかと……」
他の店員も頷いていた
「そうでしたか。他には?気付いたこと話して下さい。店長に言いにくいなら私に言ってください」
竜二は優しい口調でにっこり微笑んだ
「あと、一番端のレジの調子が悪いです」
「ではすぐに修理します。その事は店長には?」
「言いましたが、ずっと休止の札を立てたままで……」
内田が入ってきた
「部長、業者の方がお見えになりました」
「すぐ行きます」