二人が出掛けて一人になる雫
「さて、やること一杯あるな。何からしよう」
雫は頭の中で考える
(まずは、肉じゃが作って部屋の掃除、お風呂とトイレかなー)
雫がリビングを片付けているとイヤリングの片方を見つけた
(片方だけかな?昨日の人の忘れ物だよね……もっと前とかだったらどうしよう…………信じなきゃね……)
雫はメモを残してバイトに出かける
『竜二さんへ、イヤリング片方落とし物です。昨日の人なら返してあげてください。不便だと思うので、あと肉じゃがお鍋に炊いてます。お仕事お疲れ様でした』
(よし、帰ってバイト行こう。少ししか話せなかったなー、やっぱり一緒に住んだほうがバイト終わってからも朝も話はできるよね。甘えていいのかなー)
雫は鍵を閉めて竜二のマンションを後にした
夜七時、竜二がマンションに帰ってくる
「意外と手間取ったな」
鍵を開けて家に入る
シーンとした中入っていく
「雫ちゃんに居て欲しいな……」
メモを読む
(イヤリング?誰のだ。美咲?綾?)
スーツを脱いでスウェットに着替える
「肉じゃがー」
一人なのに思わず声を出した自分に驚いた
肉じゃがとビールを持ってリビングへ
(旨い~)
テレビを見ていると玄関の鍵がガチャガチャと音をたてた
(ん?エントランスは鳴ってないし、雫ちゃんはバイトの時間)
ピンポーン
モニターを見る
(はぁ、美咲か)
イヤリングを持って玄関に行く
「あっ、いたんだ」
「ああ」
「鍵、やっぱり変わってたね(笑)」
「これだろ?」
美咲にイヤリングを見せる
「あ、見つけてくれたの?探しに来たのに、上がっていい?」
玄関で靴を脱ぎはじめる
「勝手に入るなよ」
「昨日は入れてくれたじゃないの」
「昨日はみんないただろ?」
「片付けに来てあげたのに」
スタスタとリビングへ上がっていく
「おい!」
「片付いてるじゃない」
「もう、来なくていいから……イヤリングもわざとだろ?今日来る口実の」
「どうかな?(笑)昨日久しぶりに楽しかった。ますますいい男になってるし。ねえ、やり直さない?」
美咲は竜二に抱きついてキスをしようと近づく
「いや、お前とはもう終わってるから」
美咲を押して自分から離れさせる
「俺、付き合ってる彼女いるから帰ってくれないか」
「彼女いたんだ……わかった」