「お前さっそく名前呼ばれてるし」
「自己紹介してくれたから忍でいいよって言ったんだよ」
雫がリビングのテーブルに運んでくれた
「はい、どうぞ。熱いので気をつけて下さいね」
「いただきます」
「雫ちゃんも先に食べていいよ」
「はい、ではお先にいただきます」
雫はダイニングの方で食べる
「うん、旨い!胃にくるな」
「だろ?あったまるだろ(笑)」
「なあ?」
「ん?」
「若いけど、彼女でいいんだよな?」
「ああ」
「昨日、一言もそんなこと言ってなかったのに……お前の場合は家政婦とかあり得るから」
「昨日から付き合いだした(笑)」
「お前、もしかしてヤってからとか?」
「よせよ、昔とは違う。まだ何もしてないよ。純粋過ぎて手が出せない。さっきの見てわかるだろ?男の裸が恥ずかしいんだぞ、どう考えても男慣れしてないだろ」
「マジか~お前がなー、昨日美咲(みさき)も久しぶりに来てたじゃん。普通に話してたけど……」
「あー、自然消滅……お互い社会人になって仕事忙しくて、全然連絡しなくなったかな。
今まで飲み会も来なかっただろ?あいつも仕事に余裕が出てきたんじゃないかなー。みんないるのに無視はできないだろ?それにたばこ吸ってたし……俺たばこ吸う女無理なんだよ」
「それは昔から言ってたな」
「そう、付き合ってる時にちゃんと言ってるし、俺はこれから雫ちゃんに癒されていくんだ」
「いい年した男が若い女の子にメロメロかよ(笑)全く」
「そうだなー、出会っちゃったなー」
「彼女いくつ?」
「二十歳、大学三年、俺らと同じ大学」
「若っ!でも寝室模様替えしてたな」
「(笑)それも昨日した。明るくなっただろ?リビングも変えるよ。雫ちゃんといると明るい部屋に変えたくてなー、そのうち一緒に住むつもり」
「マジなんだな。絶対同棲はしなかったお前がもう合鍵渡してるし、家入れてるのに手だしてないって……俺泊まれなくなるな」
「部屋もう一つあるから大丈夫。いつでも来いよ」
「はぁ、こうも変わるものかねー。大学の時、お持ち帰りし放題だったお前が?」
「しーっ」
「美咲と付き合ってても浮気してたのに?」
「若かったんだよ。大学卒業してからはそんなに遊んでないぞ。仕事必死だったからな」
「そんなに……ね、誘われたら断れないくせに」
「もう、大丈夫!この間ひどい風邪ひいてさ、看病に来てくれて、もう俺はズキュンときたわけよ。まだ出会って二ヶ月くらいなんだけど、俺から言うの初めてなんだよ」
「まあ、お前の場合は金目当てと顔目当てだったからな」
「まーな、社会人になってからは金目当てがさすがに多かったな」