次の日竜二のマンション
合鍵を使ってそっとリビングに入る
(わっ、ここで何人かで呑んだんだ。すごい空き缶の山)
持ってきた食材をダイニングに置きリビングを片付ける
(灰皿も危ないなー、たばこに口紅のあと……女の人もいたんだ。空き缶にもついてる。そりゃ竜二さんはモテるだろうし女友達も沢山いるだろうな)
リビングのカーテンと窓を開けた
片付けていると寝室のドアが開き上半身裸の男の人が出てくる
「キャッ!」
「わっ!びっくりしたー」
声に驚いて竜二も寝室から出てくる
「何だ、どうした?」
両手で顔を覆っている雫がいた
「あっ、忍、服着ろ」
忍に服を渡す
「んー、シャワー借りる」
忍は浴室に向かった
「もういいよ。雫ちゃんごめんね、びっくりさせたね。あいつ、いつの間に服脱いだんだろう?俺も忍出たらシャワーするから、雫ちゃん?俺は服着てるから手のけて大丈夫だよ(笑)」
雫は手をのけると真っ赤な顔をしていた
(純情だな~)
「すみません、ちょっとびっくりしてしまいまして」
「あっ、部屋片付けてくれたんだね。ごめん」
「静かに片付けてたんですけど、私の声で起こしちゃいましたよね」
「いや、いいよ」
忍がシャワーから出てくる
「すみません、さっき驚いてしまって」
「んー、いいよ。こっちもごめんね。まさか人がいるなんて思わなかったから」
「シャワーしてくる」
竜二は浴室に行き忍と二人になる
「あの、若宮雫といいます。よろしくお願いします」
「俺は川合忍、よろしく。いつも遅くなったら竜二のとこに泊まらせてもらうんだ」
「そうなんですね。あっ、何か飲みますか?」
「あー、水もらう」
「はい」
ダイニングから水を持ってきて忍に渡す
「ありがとう」
慣れているようでリビングのテレビをつけてソファに座る
雫は鍋焼うどんの準備を始めた
「あー、いい匂い、腹減ってきた」
ソファから立ち上がって対面キッキンに寄っていく
「何作ってるの?」
「あっ、鍋焼きうどんです」
「へぇ」
「多分二日酔いだから消化がよくて胃に優しいもののリクエストがありまして」
「竜二から?」
「はい!あの……川合さんはお家遠いんですか?」
「うん、少しね。呑んだら終電逃しちゃうから……昨日は二次会のあと、六人くらいでここに押し掛けて飲んでたから久しぶりに酔ったな。あっ、忍でいいよ」
「はい、そうなんですね。ちゃんと忍さんのも用意しておいてと言われてましたから」
「さすが竜二(笑)」
竜二がシャワーから出てくる
「暑っ」
「お水どうぞ」
「ありがと」
と言うと雫の頭をなでる
「暑いのならおうどんもう少し後にしますか?」
「うん、忍に先に出してやって」
「はい、わかりました。じゃあ忍さん、用意しますね」
ダイニングに雫は引っ込んだ