土曜日、竜二のマンション
雫はバイトがある為竜二が車で迎えに行くのを断って自転車でマンションにやって来た
ピンポーン
「はい、下で待ってて」
「わかりました」
しばらくするとエントランスから竜二が出てきた。
ラフなTシャツにジャケット、ジーンズを履き現れた
「おはよう、早くなかった?」
「大丈夫です。真中さんこそ昨日は遅くなかったですか?」
「昨日は早く帰れたよ。買い物行こうか?」
「買い物ですか?」
二人は駐車場に向かう
「この間のと違う車……(また高そうな車)」
「あれは仕事用、仕事の帰りだっただろう?」
「はい」
雫は助手席を開けてもらい高級車に乗り込む
生活用品店に到着し駐車場に車を停めた
「家に何もないからさ、雫ちゃんと一緒に選ぼうと思って、実は部屋の模様替えがしたくてね」
「模様替え……」
「雫ちゃん、俺の部屋に来てどう思った?」
「どうって……」
「正直に言っていいよ」
「えーっと、黒が基調なので暗くて生活感のない部屋だなぁと」
「だよね(笑)まあ実際帰って寝て仕事に行くの繰り返しだったからさ、この間熱出した時に雫ちゃんがいてくれたのすごく嬉しかったんだよね」
「体調悪いと一人は不安ですよね」
「だよね、俺さ、もう少し明るい部屋にしたいんだよね」
「はあ」
竜二はシートベルトを外して雫の方を向く
「突然でびっくりするかもしれないけど……雫ちゃん!俺と一緒に住まない?」
雫はポカンとして竜二を見る
「雫ちゃん?」
「あっ、本当にびっくりしました」
「ごめん」
「一緒に住むとは同居ってことですか?」
「ううん、もう俺そんなに若くないから……こんなこと言うの恥ずかしいんだけど、同居じゃなくて同棲の方」
「同棲?」
「順番が逆だよね、まだ付き合ってないのに先に一緒にいたいことばっかり考えて、肝心な事言ってなかったもんね……」
竜二は雫の手を握った
「雫ちゃん、俺と付き合って欲しい!」
「わ、私ですか?」
「うん!」
「本当に私?でいいんですか?」
「雫ちゃんがいいんだよ」