日曜日の朝

雫は携帯を見ていた

(寝てたらごめんなさい!えいっ)

竜二に初めて電話をかける

「は……い」

「真中さん、声変わってます」

「ああ、ごめんね」

「風邪ひいてますよね?昨日咳もしてたし喉も押さえてたから気になって……」

「ふっ、さすがよく見てるね。コホッ」

「熱でましたか?」

「んー多分?」

「多分て何ですか?」

「体温計がないから……でも頭痛がするから出てると思う」

「何も食べてないんでしょ?」

「……」



「真中さん?返事して下さい」

「うん」

「今から何か作りに行きますから」

「えっ、雫ちゃんに風邪がうつるよ」

「大丈夫です。若いんで(笑)」

「ごめん」

「待ってて下さいね」




竜二のマンションに着く


(えーと、何号室だったっけ?)

竜二に電話する

「はい」

「すみません部屋番号忘れました」

「七0五号だよ。開けるね」


雫はエントランスに入り部屋の前でボタンを押す

竜二がドアを開けてくれた

「大丈夫ですか?」

「じゃないね、ゴホン、ゴホン!」



「とりあえずベッドへ」

「すごい荷物だね?」

「だって、この間来たとき何もなかったじゃないですか、鍋ないと料理できないし、調味料もないし、昨日咳しててしんどそうだったから今日は怪しいと思ってました。食べないと治りませんよ(笑)」

「午前中寝てみて何か買いに行こうかと思ってたんだよ、雫ちゃんに先を越されたな(笑)」


雫は竜二のおでこに手をあてる


「熱ありますよ。ダイニング借りますね。あっとこれまず飲んで下さい。水分補給です。」

「ありがとう」



ペットボトルを受け取った竜二は一気に一本飲み干し雫に寝室に追いやられベッドに横になる


「ふぅ、参ったな。可愛いすぎだろ」



寝室のドアが開く

「真中さん、卵粥と普通のお粥どっちがいいですか?」

「卵」

「はい、すぐできますからね」


しばらくして雫が卵粥を運んできた


「出来ましたよ。起きれますか?」

「うん」

体を起こす

「熱いので気をつけて下さいね。あと薬は何がいいのかわからないので今から買ってきます。いつも飲んでるのとかありますか?」

「いや、何でもいいよ。熱が下がれば」

「わかりました。じゃあ行ってきます。ゆっくり食べててください。」