「さっきもなんかいたろ」
と天井を振り返りながら倫太郎は言う。
「此処はあやかしの経営している駄菓子屋だったんだ。
客もあやかし」
「えっ、そうなんですか?」
「人間も来るけどな。
お前みたいにたまに、こう、生活に疲れた感じの奴が」
失敬だな~と思ったのだが、疲れているのは確かだった。
「じゃあ、あやかしも生活に疲れたあやかしが来るんですかね?」
「……なんだ、生活に疲れたあやかしって」
「だって、駄菓子を見ると、なんか心が弾みますよね」
と壱花はレジの前の量り売りになっているカラフルなお菓子を見た。
倫太郎は頬杖をついて、それらを見ながら、
「俺は未だに好きじゃないがな。
身体に悪そうだし。
着色料すごいのもあるし。
そんなに鮮やかなお菓子がいいのなら、今度、俺がよく手土産に使う店のマカロンを並べてやろうかとか思うんだが」
と言い出す。
ああ、あの店の、といつもその手土産を手配している壱花は上品なパッケージに入ったマカロンを思い浮かべる。
と天井を振り返りながら倫太郎は言う。
「此処はあやかしの経営している駄菓子屋だったんだ。
客もあやかし」
「えっ、そうなんですか?」
「人間も来るけどな。
お前みたいにたまに、こう、生活に疲れた感じの奴が」
失敬だな~と思ったのだが、疲れているのは確かだった。
「じゃあ、あやかしも生活に疲れたあやかしが来るんですかね?」
「……なんだ、生活に疲れたあやかしって」
「だって、駄菓子を見ると、なんか心が弾みますよね」
と壱花はレジの前の量り売りになっているカラフルなお菓子を見た。
倫太郎は頬杖をついて、それらを見ながら、
「俺は未だに好きじゃないがな。
身体に悪そうだし。
着色料すごいのもあるし。
そんなに鮮やかなお菓子がいいのなら、今度、俺がよく手土産に使う店のマカロンを並べてやろうかとか思うんだが」
と言い出す。
ああ、あの店の、といつもその手土産を手配している壱花は上品なパッケージに入ったマカロンを思い浮かべる。