「それに、会社だと俺にガツンと言ってくるやつもいないから。
ここで遠慮なく物を言ってくる連中に囲まれているのも悪くない」
「……妖怪にしか叱られない人生ってどうなんですかね?」
と壱花が言ったとき、
「私も叱ってますよ」
と言う声が入り口からした。
背の高い紳士風の男。
浪岡常務が立っていた。
「え?
本当に古狸だったんですか?」
ここに来るとは、と思って思わず言って、莫迦っ、と倫太郎に足を蹴られる。
「ほう、古狸ね」
とそれを言っているのが倫太郎とわかったように、じろりと浪岡は倫太郎を見る。
ニンジン型のポン菓子を手に取りながら、浪岡は言った。
「いやいや、私は疲れて、たまにここに立ち寄ってるだけですよ。
息子ほどの年の社長に言って聞かせなきゃいけないことが山ほどあるんでね」
これください、と浪岡は壱花にポン菓子を渡してくる。
ここで遠慮なく物を言ってくる連中に囲まれているのも悪くない」
「……妖怪にしか叱られない人生ってどうなんですかね?」
と壱花が言ったとき、
「私も叱ってますよ」
と言う声が入り口からした。
背の高い紳士風の男。
浪岡常務が立っていた。
「え?
本当に古狸だったんですか?」
ここに来るとは、と思って思わず言って、莫迦っ、と倫太郎に足を蹴られる。
「ほう、古狸ね」
とそれを言っているのが倫太郎とわかったように、じろりと浪岡は倫太郎を見る。
ニンジン型のポン菓子を手に取りながら、浪岡は言った。
「いやいや、私は疲れて、たまにここに立ち寄ってるだけですよ。
息子ほどの年の社長に言って聞かせなきゃいけないことが山ほどあるんでね」
これください、と浪岡は壱花にポン菓子を渡してくる。