「そうですねー。
 じゃあ、迷い込む人の数を増やしてみたらどうですかね?」

 ビール置いたらいいですよ、と壱花は笑う。

「駄菓子にビールがあったら、リピーターになります、わたしなら。
 友だちにも宣伝しちゃいますよ。

 疲れたサラリーマンが疲れたサラリーマンを呼んで、人間の比率が高くなったら、この店、人の世界に傾きませんかね?

 そしたら、社長もここから抜けられたりして」
と言ってみたのだが、

「……嫌だな、疲れたサラリーマンで満杯の店」

 倫太郎はそこが気になるようだった。

 いやいや、贅沢言わないでくださいよ、と思いながら、並んで店番をつづける。