パステルカラーで可愛らしく、味もふんわりしていて、甘すぎない。

「確かに美味しいですし、(いや)されますが。
 なにかこう、駄菓子でしか癒されないものってあるんですよ」
と壱花は熱弁をふるう。

「例えば?」
と冷めた表情で倫太郎が訊いてきた。

「えーと。
 仕事の疲れとか?

 いや、高いお菓子でも癒されますけどね。
 駄菓子だと子どもに帰ったみたいな気がして、なんか和むんですよ」

 なんとなくこの店に足を踏み入れてしまった壱花だったが。

 思い込みが激しいので、今や、この私の疲れを癒してくれるものは駄菓子しかないっ! くらいに思いつめていた。