パン作りの素質が無く、パン屋の跡継ぎにはなれない桜花は売り子として店番をしている。
毎日の様に19時過ぎに買いに来るスーツ姿の綺麗な顔をした彼がお気に入りだ。
二週間程、肩が重苦しく、体調も優れない上に不運続きな桜花は彼を見るのが、毎日の癒しとなっていた。
そんなある日、彼と見知らぬ女性が一緒にパンを買いに来て、彼に公園へと誘われる。
桜花は車に轢かれて亡くなった白犬に取り憑かれていたせいで、数々の災難が降り掛かっていたのだった。彼が化けた白犬を消滅してくれて、桜花は元気を取り戻した。
消滅後に彼は桜花にいきなりプロポーズをする。彼は店のパンと桜花の両方を気に入っていた。だが驚いたのはそれだけではなく、彼の正体は"鬼"だったのだ。突然の事に戸惑う桜花は常にどっち付かずな態度をとっていたが、彼と過ごす内に外見だけではなく、中身も惹かれていった。