悠希の車の中はいつ乗ってもゴミ一つなく、とても清潔感がある。


悠希は性格がピシッとしていて、根っからの綺麗好き。


それとは真逆で出したら出しっぱなし、脱いだら脱ぎっぱなしのあたし。


会話は合うが性格は似ても似つかない。


悠希ならいくらでも女が出来るだろうに、ハズレくじを自ら引くとは物好きとしか思えない。


あたしは赤い顔のままソファーに座り、タバコを加え、テレビをつけた。


すると悠希も隣に座り、テレビを見て突然語りだした。


「歩は仕事柄だけど夜のドラマ見れねえよな」


「うん。無理だね」


「俺、好きなドラマあんだよ。学園もののさ」


「はぁ?青春系!?そんなん見るの?はははっ」


見た目が今風の悠希から青春だの学園だのまさか出てくるとは思わず、あまりにもイメージとかけ離れ面白くなり、ソファーに笑い転げた。


「お前わかってねえなぁ~人と人について深く教えさせられるドラマなんだからな!」


「へぇ」


まったく興味がない話には軽い返事だけで流すのがあたし流。


すさんだ女が青春なんてむず痒くなるもの見るわけがない。


「俺、予約してやるから見ろよ!」


悠希は笑われたのが面白くなかったのかむきになり、暑苦しく食いついてくる。


あたしは興味が無いものを押し付けられ、正直うざったく感じた。


「はい、はい」


適当に話を合わせ、心無い返事をし、テレビを見続けそっぽを向く。


本当にマメな男だとは思うが、そこまでしてそんな臭いもん見せたがる意味がさっぱりわからない。


「あたしタバコ臭いからさらっとシャワー浴びてくるわ」


「人の話しに興味なしかよ。はぁ。行ってらっしゃい」


その場から逃げ出す為、呆れ顔の悠希をほったらかし、タオルとジャージを手にシャワーを浴びに風呂場へ行き扉を閉めた。


はぁ、まいっ…えっ…?


扉を閉めた瞬間。


世界がひっくり返る立ち眩みが襲いかかり、その場に座り込んだ。


何!?また来た!?


心臓がバクバクしてとてつもない恐怖心がよぎる。


おかしい。


体がおかしい。