悠希と会わなくなり時間を持て余していたあたしは、貯金を切り崩してパチスロ店へ足繁く通うようになっていた。
一人で店へ行く度胸は元々無い奴だから、最近実家近くに越してきた兄と二人で近所の店へ向かう日々。
頭の良い兄は学生時代から勉強ができ、学んだり分析する作業にたけていたからパチスロでわからない部分は兄に聞いてチャレンジしている。
無職のあたしは兄の仕事が終わるのを待ち、夕方帰宅した兄を誘い、財布片手にパチスロ店へ出没した。
「今日もこの店でいいか?」
「何処でもいいよ。時間潰せれば」
「おまえは本当愛想ねぇなぁ。まっ、いいけどさ。よし、勝つぞっ」
兄に連れられお気に入りの店へ車は到着し、兄がはりきって車から降りようと準備していた時、あたしは携帯の着信に気付いた。
「彼氏からだ。兄、わりぃ。話し終わったらすぐ行くから、先スロってて」
あたしの言葉を了承した兄は頷き、車を降りてそそくさと店へ入って行く。
その後ろ姿を確認して、あたしは悠希の携帯へ電話をかけた。
ワンコール。
ツーコール。
スリーコールにさしかかった時、悠希は電話に出てくれた。
「はいよ。いきなり電話してワリィ」
「何も悪かねぇだろ。んで、どうした?」
「あのさ。おまえに大事な話があってさ…」
もうわかる。
話し口調、声色が普段と違うから軽い気持ちで聞く内容では無いって事が。
まだ内容は何も聞いてはいないけど、無性に胸元が変に荒れて、ドキドキが止まらない。
どうしよう。
凄く怖くて仕方ない。
「大事な話って何?」
「ん…。俺、転勤決まったんだよ…」
「転勤!?何処!?」
「とう、きょう…」
「転勤」「東京」と聞いて、目の前が真っ暗になってしまった。
悠希が遠くへ離れ、あたしを置いて行ってしまう。
会いたい時に会えない距離へ行ってしまう。
あたしが勝手に埼玉へ行った時に悠希はこんな不安になったんだ。
こんなにも不安に…
「東京って、すげぇ遠いじゃん」
一人で店へ行く度胸は元々無い奴だから、最近実家近くに越してきた兄と二人で近所の店へ向かう日々。
頭の良い兄は学生時代から勉強ができ、学んだり分析する作業にたけていたからパチスロでわからない部分は兄に聞いてチャレンジしている。
無職のあたしは兄の仕事が終わるのを待ち、夕方帰宅した兄を誘い、財布片手にパチスロ店へ出没した。
「今日もこの店でいいか?」
「何処でもいいよ。時間潰せれば」
「おまえは本当愛想ねぇなぁ。まっ、いいけどさ。よし、勝つぞっ」
兄に連れられお気に入りの店へ車は到着し、兄がはりきって車から降りようと準備していた時、あたしは携帯の着信に気付いた。
「彼氏からだ。兄、わりぃ。話し終わったらすぐ行くから、先スロってて」
あたしの言葉を了承した兄は頷き、車を降りてそそくさと店へ入って行く。
その後ろ姿を確認して、あたしは悠希の携帯へ電話をかけた。
ワンコール。
ツーコール。
スリーコールにさしかかった時、悠希は電話に出てくれた。
「はいよ。いきなり電話してワリィ」
「何も悪かねぇだろ。んで、どうした?」
「あのさ。おまえに大事な話があってさ…」
もうわかる。
話し口調、声色が普段と違うから軽い気持ちで聞く内容では無いって事が。
まだ内容は何も聞いてはいないけど、無性に胸元が変に荒れて、ドキドキが止まらない。
どうしよう。
凄く怖くて仕方ない。
「大事な話って何?」
「ん…。俺、転勤決まったんだよ…」
「転勤!?何処!?」
「とう、きょう…」
「転勤」「東京」と聞いて、目の前が真っ暗になってしまった。
悠希が遠くへ離れ、あたしを置いて行ってしまう。
会いたい時に会えない距離へ行ってしまう。
あたしが勝手に埼玉へ行った時に悠希はこんな不安になったんだ。
こんなにも不安に…
「東京って、すげぇ遠いじゃん」