蒼く、時にオレンジの光を放つ天の下。


人々を照りつける暑い夏が過ごしやすい気温に移り変わり、季節は秋に向かっていた。


夏の終わり。


刻々と日を重ねるたび二人の終わりに近付く…


一緒に行った海。


その日を境にあたしは悠希と会わなくなった。


互いに電話はするが「次いつ会う?」という話まで会話がいかない。


毎回電話をしても、気まずそうに話す悠希。


そんな悠希にあたしは苛立ちが募っていった。


「最近なんかよそよそしくない?」


「んな事ねぇよ…」


「ふうぅん」


いつも冗談ばかりだったのに、息苦しそうに気まずそうに話す悠希は明らかに変化があった。


本来なら恋人なのだから遠慮せず、納得いくまで根掘り葉掘り聞きただせばいい。


なのにあたしは悠希に何があったのか深く聞きはしなかった。


こんな時は必ず嫌な揉め事がある前ぶれってわかるから。


だから、悠希が話せない話ならあたしは聞かない。


言えないなら聞かない。


過去の恋愛の傾向と悠希の不自然さ。


重なる部分だけがあたしを踊らせ、迷宮に追いやられる。


別れたい?


終わり近い?


そんな嫌な予感が本当に当たってしまうなんて
夢にも思わなかった。