悠希を見ると日焼けする為に、砂浜に仰向けで寝転がっている。


あたしも隣に寝転び、照りつける太陽の下でそのまま空を見上げた。


吸い込まれてしまう真っ青な空に浮かぶ雲が袋を飛び出した綿菓子を彷彿とさせ、ふんわりと美味しそうだ。


「空綺麗だね」


あまりにも綺麗な空に感動して悠希に話しかけたら、悠希は数秒黙ったと思ったらしんみり話し出した。


「海の青さは空の青さ。空の青さは海の青さ。知ってる?」


「はっ?」


「互いが互いを青く染めるんだよ」


「互い…を…?」


「青く染めるんだよ」


素敵な言葉に返す言葉がなかなか出てこない。


「…」


「ん?」


深く考えれば考えるほどこの言葉しか当てはまらない。


いや。


これしかない。


「人間みたいだね…」


「そうだな…」


手を伸ばせば届きそうな青空。


あたしは右手を空に伸ばし、キュッと透明な色のない空気を掴み、下に降り下ろした。


二人は完璧に空に心奪われている。


この世界を繋ぐ空に…


二人はただただ空に見いっていた。


悠希の言葉は深い。


悠希は人と向き合える清い心を持っている。


あたしとは違う。


悠希は清らか過ぎる…