悠希があの時、あたしの背中を押したんだ。


「父親に会わせろ」


悠希のその言葉がなければあたしはズルズルと父に言いたい事も言えずにいただろう。


悠希が関わると物事がうまく回りだす。


信じられないけどこれが現実。


「悠希ありがとね…」


「おう!ありがとう言うな。俺なんもしてねんだから」


「だって」


「言ったらおかすぞ」


「馬鹿!」



「お前がな」


「んも~!バイバイ!」


「ははっ。バイバーイ」


本人は気付いてはいなかったと思う。


自分の凄さや、人を生かす力を持っているんだって。


悠希はとてつもない人なんだって。


そんな悠希はあたしにとってなくてはならない存在。


いなきゃダメになってしまう存在にいつしかなっていたんだ…