互いに触れはしないが嘘は見事にバレバレだった。
姉ちゃんはやっぱりあたしの強いカッコいい姉ちゃんだ。
限りない優しさに触れた埼玉での生活。
一言で済ますなら“ありがとう”の一言しか本当に出ない。
余計な感謝を言ったら泣きそうだったから。
懸命に口を閉じた。
「ほら。新幹線に急いで乗らなきゃ」
「うん。早くいかなきゃ」
時刻表など気にせず荷物を手に抱え、姉の車に飛び乗り、新幹線が直接乗れる駅まで送ってもらった。
「もう大丈夫だろ?」
いざ駅に着くと、建物に圧倒され新幹線に乗れるか不安はまだあるが、不安より悠希に会いたい気持ちが勝って仕方がない。
「ん…でも乗ったら二時間で着くから!」
一ヶ月前のあたしなら「絶対無理!帰れない!どうしよう」とすがり付き、姉に言ってたはずなのに自分で帰ろとする意志があった。
気持ちが確実に向上している。
埼玉で過ごした時間は間違いなんかじゃない。
来てよかった。
姉の助け船は沈まず、岸までしっかりたどり着いていたんだ。
「歩~気をつけてな!」
「うん!姉ちゃんバイバイ!」
姉に大きく手を振り、広く大きな階段を勢いよくかけ上がる。
周りなど見えないあたしの気持ちの先には、悠希しか見えない。
彼しか見えない。
駅員に時刻を聞くと運良くすぐ乗れる新幹線が見つかり、即チケットを買い、時間は決まって発車するのに息を切らし行きと同じシルバーの新幹線に乗り込んだ。
車内はシーンと静かであまり人も乗車していない。
周りを見渡し、あたしは座る席とチケットの番号を照らし合わせ座った。
何気なく窓の外を眺め景色をボーっと見つめていると、発車の音楽が鳴り、ゆっくり景色が流れだす。
埼玉に向かう時は手に冷や汗かいてたのに。
行きはうずくまり、冷や汗で濡れていたが今は違う。
景色を眺める余裕がある。
これが今のあたし。
前よりふっくらした体にこぼれる笑顔。
期待と不安はいりまじっていたが自分は見た目だけじゃなく、内面も変わり出している。
もう全ては動きだしていたんだ。
闇から抜け出し始めた心を自らの手で引っ張る。
人の暖かさ、思いを無駄にはできない。
あたしには家族がいる。
あたしには悠希がいる。
姉ちゃんはやっぱりあたしの強いカッコいい姉ちゃんだ。
限りない優しさに触れた埼玉での生活。
一言で済ますなら“ありがとう”の一言しか本当に出ない。
余計な感謝を言ったら泣きそうだったから。
懸命に口を閉じた。
「ほら。新幹線に急いで乗らなきゃ」
「うん。早くいかなきゃ」
時刻表など気にせず荷物を手に抱え、姉の車に飛び乗り、新幹線が直接乗れる駅まで送ってもらった。
「もう大丈夫だろ?」
いざ駅に着くと、建物に圧倒され新幹線に乗れるか不安はまだあるが、不安より悠希に会いたい気持ちが勝って仕方がない。
「ん…でも乗ったら二時間で着くから!」
一ヶ月前のあたしなら「絶対無理!帰れない!どうしよう」とすがり付き、姉に言ってたはずなのに自分で帰ろとする意志があった。
気持ちが確実に向上している。
埼玉で過ごした時間は間違いなんかじゃない。
来てよかった。
姉の助け船は沈まず、岸までしっかりたどり着いていたんだ。
「歩~気をつけてな!」
「うん!姉ちゃんバイバイ!」
姉に大きく手を振り、広く大きな階段を勢いよくかけ上がる。
周りなど見えないあたしの気持ちの先には、悠希しか見えない。
彼しか見えない。
駅員に時刻を聞くと運良くすぐ乗れる新幹線が見つかり、即チケットを買い、時間は決まって発車するのに息を切らし行きと同じシルバーの新幹線に乗り込んだ。
車内はシーンと静かであまり人も乗車していない。
周りを見渡し、あたしは座る席とチケットの番号を照らし合わせ座った。
何気なく窓の外を眺め景色をボーっと見つめていると、発車の音楽が鳴り、ゆっくり景色が流れだす。
埼玉に向かう時は手に冷や汗かいてたのに。
行きはうずくまり、冷や汗で濡れていたが今は違う。
景色を眺める余裕がある。
これが今のあたし。
前よりふっくらした体にこぼれる笑顔。
期待と不安はいりまじっていたが自分は見た目だけじゃなく、内面も変わり出している。
もう全ては動きだしていたんだ。
闇から抜け出し始めた心を自らの手で引っ張る。
人の暖かさ、思いを無駄にはできない。
あたしには家族がいる。
あたしには悠希がいる。