悠希と会うたび本当に充実してたし、心から楽しく過ごせてた。


けど、いない日はとてつもない寂しさが襲ってきて、一人でいるのが異常にしんどいんだ。


悠希との約束を守って大嫌いな病院に通い、薬は継続して飲んでいたけどやっぱりダメみたいで。


良くなるどころか、
パニック障害はおさまらなかった。


みんな精神病は“気の持ちよう”というけれど、医者の説明ではパニック障害は脳に関係がある病気らしい。


脳内神経伝達がうまくできなくなると起こる。


詳しくわからないけどノルアドレナリン・セロトニンのバランスが崩れるとなると本で読んだ。


昼、夜逆転の生活。


大量の酒。


愛情に触れられなかった子供の時のトラウマ。


うまくいかないもどかしさ。


自ら命を絶った友達の死…


生きてきた時間の中で起こった全てがまざって、一気に処理しきれなくて。


体にあからさまに症状が出てきた。


身も心もパンクして、体重の減りが止まらなくなり、見れない姿になっていた。


やつれきった体が物語り、もうとっくにギブアップしてたんだ。


そんな体と精神のおかげでさすがに仕事にも支障がで出始め、休んだり、途中で帰宅せざるおえない。


プライドで生きてきたせいか、こんなに弱くなっていく自分の気持ちの中がぐちゃぐちゃで、整理さえつかない。


いっそ死んでしまいたかった。


“楽になり苦痛から解放されたい”


悠希といて幸せなはずなのに…


悠希といて笑えるのに…


それなのに死にたかった。


そんなどん底で這いつくばりもがいていた時。


あたしの姉から助けの電話が鳴ったんだ。


「こっちに来て環境変えてみな。何か変わるかもしれないから」


「環境を変える?」


「そう、こっちで何もしなくていいからまずは来てみなよ」


救いの助け舟が、あたしの元へやって来た。