懲りずに店内を見渡していると、たくさんあるブレスレットの中から二人の目は1つのブレスレットをとらえていた。


「これ!!」


「これ!!」


近寄った二人の声はうまく重なり、意見はピッタリだ。


鎖が交差し、可愛いプレートの付いたシルバーのブレスレット。


ゴツくなく、かといって存在感がない訳でもなく。


手首に華を添えてくれそうなデザインだ。


「絶対これ!これだよ悠希!」


「やっぱりやっぱり!?歩もキタァって奴!?」


「きたきた!これしかないっしょ」


「だよな!間違いねぇって。これだよこれ!」


「歩まで浮かれてきたんだけど」


「よし買う。これにき~まり。これください!」


はしゃいでいる二人の近くに店員が駆け寄り、ガラスケースから出されたブレスレット。


間近で見て


「すぐつけたいんで箱は別にして下さい!」


「はい。こちらですね」


気持ちが焦ったのか、悠希はすぐにブレスレットを着けたがった。


店員に手渡されたブレスレットを手首に装着する悠希。


光る新品のブレスレットは案の定とても似合っている。


「あぁ~満足!」


「あたしも満足!」


少年っぽく腕を上にかかげ喜ぶ悠希は目を輝かせ、店内の光にかざした。


透ける白い肌にしっくり馴染むシルバー。


悠希の姿はライトに照らされブレスレットにひけをとらず、こっちが見入ってしまうほどとてもとても綺麗だった。