「歩、誕生日近いよな」


「誕生日って?」


悠希のその一言でカレンダーに目を向け、自分の誕生日が迫っていたんだと気付いた。


そういえば夏が目前だ。


大嫌いな暑い夏が。


「お前さ~自分の誕生日くらい覚えとけよ~」


「あははっ…忘れてたわい」


「年寄りかっつの」


「年寄りってわけで、歩ちゃんはこれ以上年とりたくないんでお祝いなんかしなぁ~い」


「また意地張りか?誕生日は別なんだろ?クリスマスの時、言ってたじゃん」


サラッと言った程度なのにしっかり覚えている悠希の記憶力。


本当にへたな事は言えない奴だ…


「言ったけど、この間いきなりめっさ高い服買ってくれたじゃん。だからいいや」


「あれはあれ。誕生日は誕生日」


つい最近、二人で買い物に行った時。


悠希は突然服を買ってくれた。


店員まで引っ張りだして、あれ着てこれ着てファッションショーみたいに悠希に服を着せられた。


終いには「似合うからこれ全部ください」なんて言い出し、本当に全部買ってくれて…


そんなのをされたばかりで誕生日をねだるなんて贅沢過ぎる。


それでなくとも悠希から貰うプレゼントは特別な物なのだから。