肩肘を張り生きてきた自分。


愛されたくて、ただ愛されたくて人を渡り歩いて。


ずるくなりたくないのにずるく生きなきゃみんな消えていきそうで怖くて。


家族の愛を全身で受け止めたくても父親にでさえ捨てられて


近くにいた母もおまえなど、帰ってくるなと途中で投げ出した。


男友達は口ではうまい台詞並べて、結局はやりたいが為近寄ってくる。


女友達もいざって時は他人の顔して裏切って…


金・金・金・金


どいつもこいつもうるさくて、そんなに欲しけりゃくれてやるって有り金全部入った貯金通帳を相手にぶん投げてやった事もあった。


「金やるから揺るがない本物の愛売ってくんない?」


真顔で口にし、心が助けてと叫んだ。


あたしが発した言葉達は救いを求め、相手の出方を確かめる手段…


“頑張り過ぎんなよ”


もう楽になっていいんだ。


張りつめていたガチガチな緊張の糸は柔らかくほどけ、流したくないのに涙が溢れだす。


全くの他人の前で涙が凄い勢いで目からこぼれた。


「泣きなさい。おもいっきり泣きなさい。泣くのは全然恥ずかしくない」


医者は微笑み、それから黙っていた。


もう頑張らなくていい。