やはり自分ではどうしても原因がわからず、再び内科や色々な科を渡り歩き、検査してもらった。


血液検査、内診、CT…


それでもどこにも異常が見つからない。


頼みの綱が絶たれ、答えが出ない体調の不調にあたしはますます精神的に追い込まれていった。


どこがおかしいのか


何がダメなのかわからない。


立ち上がればふらつき天井が回る。


意に反し不整脈は頻繁に起き、つらくなってすぐ横になる。


仕事は休めないから意地で体を起こし、気力で一日をこなす。


「大丈夫!あたしは大丈夫!」


この言葉だけに寄り添い、息絶えてしまいそうな自分に蓋をする。


風呂場の扉を全開に開け、恐怖と戦い、大声を出して風呂に入る日課も変わりはしない。


圧迫された空間や逃げられない場所にいると襲いくる恐怖心がかけめぐり、その場を離れたくて急いで出た。


常に“死”が頭をよぎり、考え込むと突然喉に物が詰まった感じになり息が出来ない。


悠希には言えない。


ばれてしまったら過去の男達みたく消えて行くかもしれないから。


悠希との別れを恐れ、悠希が来る日は何もない顔をして迎えようとあたしは平然を装った。


こんな事、誰にも言えない。


誰にも…


言った所で理解してもらえるわけがない。


本人ですら何が原因でこうなっているかわからないのだから。


人に期待すると裏切られた時、傷つくのは自分だから言わない方がいい。


人は信用しない。


自分しか信じない。


たとえ相手が悠希であったとしても…