「今日だいぶおかしいわ…」


熱があったからなのか、過呼吸を起こしたからなのかはあやふや。


ぼやけた頭なのに悠希の一つ一つの行動や言葉が鮮明に焼き付いている。


初めてされたお姫様抱っこ。


必死で看護師を呼ぶ声。


両手で包み込まれた手。


泣きながら伝えてくれた愛。


再確認の「好き」


ふざけたキス。


日々涙腺が弱くなっていくのは悠希のせいで、あたしの感情を揺さぶるのも悠希。


何もかも


全てが君のせい…


もう完璧に悠希色に染まってしまっていたんだ。


あたしは


「歩」は


強くなんてない…



最低で最高な1日を過ごしたあたしは、自分の愚かさに気付かされたと共に、悠希の偉大さを身に染みて感じさせられたんだ。


悠希が真っ直ぐに全力でぶつかってくるから


あたしも全力で受け止めないといけないって
強く思ったんだ。