あたし一人しかいない部屋は危険な場所で、逃げ場もなければ、助けも期待出来ない。


というか、悠希以外の男を上げるなんて言語道断。


迷惑そうに言葉を発し、西野君に帰って欲しいをアピールして、扉を開けようとした。


だが、西野君は目の色を変え、キツイ口調であたしに言い放った。


「はぁ!?よく言えたもんだ!」


そういうと同時に強く扉を閉められ、手首をキツク握り、あたしは床の上を引きずられた。


「ちょっと待って!何?なんなん?」


無理矢理な言動はエスカレートしてゆき、ソファーまで力付くで引きずられ、押し倒された体に西野君が跨がった。


体格の差は歴然で、30キロ台の身にはこたえる。


「痛い!離してよ!」


両手首は押し付けられた重圧で痛みが走り、うまく身動きがとれない。


バタバタもがくも、手首に食い込む西野君の手。


それでも負けたくないあたしは西野君を強く睨み、体を丸めようと必死にもがいた。


「一回も二回もかわらなくね?」


「やっ!彼氏いるの!本気なの!」