そして後で祖母は、両親に電話をしてくれた。
母は、それを聞いて驚いていたが喜んでいたらしい。
特に心配していたから申し訳ない。

私は、ショコラで正式にバイトをすることになった。
上手くて出来るだろうか?
不安もあるが、これを期に変われるなら私は、
変わりたいと思った。いつまでも同じままでは
いけないと自分でも分かっていたから……。

それから申し込んでから数日後のバイト初日。
私は、緊張しながらショコラを訪れた。
改めてだと何だか緊張してしまう。

「えっと……改めてお願いします」

「こちらこそ。よろしくね。
分からないことは、何でも聞いて。
教育係は、翔馬君にやってもらうから心強いわよ」

美紀子さんは、気遣ってか
翔馬君を教育係にしてくれた。
嬉しい……これで一緒に仕事が出来る。

「よろしくな。菜乃。
じゃあ、まず店内の掃除と厨房の手伝いな」

「は、はい。お願いします」

慌てて返事すると翔馬君は、ニカッと笑っていた。
何だかちょっと……恥ずかしい。
そしてお店の外に出るとホウキで周りを掃いた。
翔馬君は、長いワイパーを使いガラス窓を拭いていた。
外は、真夏なだけあって今日も暑かった。

「あっち……かき氷食べたい」

ガラス窓を拭いていた翔馬君は、汗を拭きながら
そう呟いた。かき氷か……確かに美味しそうだ。
ひんやり冷えたサラサラの氷は、暑い日に最適だ。
特にイチゴのシロップと練乳をかけると甘くて
私は、好きだった。

「いいなぁ……かき氷。私は、イチゴが好き。
練乳もいっぱいかけたい」

「あぁ、いいよな。イチゴと練乳。
俺も好き。ひんやりしてサラサラの氷を
一気に掻き込んで頭がキーンしてぇ~」

イチゴに反応する翔馬君だった。
2人でかき氷の話で盛り上がっていたら
呆れたように美紀子さんが店から出てきた。