10月1日の朝をむかえた

葉月は寮に引っ越して来てからは早い時間に出勤していたので智歌とも会わず寮が朝食の時間にこんなに賑やかだとは思わなく隣の食堂からの音で目が覚める

「んー、結構聞こえるな、起きよ」

布団を押し入れにしまい着替えて食堂に顔を出す

「おはようございます」

「おはよう、やっぱりうるさいよね(笑)」

「まあ、最初なので、それにいつもこの時間には出てましたから大丈夫です」

「時間までは自由にしていいからね」

「はい」


「おはようございます」

と食堂に来る学生にも葉月は声をかける

葉月は冷蔵庫から自分の名前をマジックで書いた野菜ジュースを取り出して部屋に戻ろうと食堂を出ると奥から翼が髪を拭きながら歩いて来ていた

秋なのに、半袖と短パン、シャワーあがりの石鹸のいい匂いが微かにする

「あっ、葉月ちゃんおはよう」

「何でこっちから?」

「このつきあたりにシャワー室があるんだよ」

「そうなの?」

「昨日寝落ちしちゃってて(笑)風呂入れなかったからさー」

「奥ね……」

「うん、じゃあ夜ねー」

翼は葉月に手を振って食堂へ行く


葉月の部屋には洗面台とトイレとお風呂もついていたので寮生と一緒になることはなかった、昔は住込みで夫婦で管理人、食事としていた人がいたらしい

食堂から戻ると葉月は部屋に鍵がついてないことに気づいた

「やっぱり鍵いるよね……」

ホームセンターに後で行ってみよっと

野菜ジュースのパックにストローを差し携帯で鍵を検索した

食堂も静かになったところで葉月は智歌に鍵のことを話そうと部屋を出る

「葉月ちゃん、朝ごはん食べてもいいわよ」

「えっ?」

「今日はパンの人が多かったからご飯余ってるから」

「でも、悪いですよ」

「まかないと思えば(笑)夜はまたご飯炊かなきゃだし、私もお昼ご飯はいつも食べるのよ、全然大丈夫だから気にしないで」