一月三日の夜
“ 戻ってきたよ”
“ 行く”
ノックがありドアを開ける
「葉月さん、おかえりー」
「ただいま、明けましておめでとう、今年もよろしくね」
「俺のほうこそいっぱいよろしくね(笑)」
いい笑顔だ、ご機嫌なのがすぐわかる
「実家どうだった?」
「うん、久しぶりにゆっくりできたよ、毎日お刺身食べてたなー(笑)」
「えー、いいなぁ、俺も葉月さんの田舎行って刺身食べたいよ」
「もう、そういう軽いことは言わないでよ」
「軽い事って?」
はぁ、天然なんだな………
「あのね、私の田舎に行くってことはどういうことか考えてみて」
「………?」
「わかんないの?」
「うん」
「私の親に会うってことじゃん?」
「あー、別に気にしないよ」
「なんで?そこは気にすることでしょ!」
「………付き合えば全然おかしくない」
「付き合えばって………だからそれも軽く言わないでっていうのがそういうことじゃん」
「正月早々怒るなよ」
翼は葉月の腕を持ち引き寄せた
「怒らすこというからでしょ」
「怒った葉月さんも可愛いけどさ(笑)」
翼はすっぽり葉月を包み、後ろからだらんと手を葉月の前に垂らす
「重いなー(笑)」
「全体重かかってるからね(笑)潰そうかな?」
「やだ!」
「エアコン効いてきて暖かくなった」
ジャージの上着を脱いで葉月を包み込む
「で………報告は?」
「うん、彼女にはね会ったよ、実はバレー部で集まりがあったんだよ、今回は男女合同だったんだけどさ」
「仲良かったんだね」
「うん、俺ら以外にもカップルがいるんだよ」