「何で食べてないの知ってるの?葉月さんエスパー?」
「小野くんが一次会で帰ってきて秋月くんが出てないって聞いたから……」
「匠……帰ってたんだ」
「秋月くんがいなかったから二次会行かなかったみたいよ、友達に迷惑かけるんじゃないわよ、それが小野くんの考えだとしてもさ、夕食とってないはずって言ってたし、理解してくれる人が周りにいることに感謝しなさいよね」
「説教?」
「要らないんだったらいいけど?」
「食べる……いただきます」
いつも賑やかに食べるのに大人しく噛み締めながら翼は食べた
「……うまい、ごめん……」
「ごめんは私じゃなく小野くんに言って、私には?」
「ありがとう」
「うん!」
葉月は翼の頭をクシャっと撫で、少し頭を小突いた
翼はあっという間に食べ終えた
「昨日のことで秋月くんがそんなに落ち込んでるとは思わなかった……」
「俺、バカだからさ、感情のコントロールが効かなくて色々考えてしまうんだ、頭打ったときも前の晩彼女とメールのやりとりで腹立って寝れなくてボーっとしてたからミスしてさ、大事な練習試合に出れないと思うとまた寝れなくて……葉月さんの膝枕気持ちよかったし、シャワーした後に気が緩んじゃった、服をかけてくれた気遣いとかがすげえ嬉しくてキスしちゃったんだけどその時はすげえテンション高くて………」
「わかるけどもう少し冷静になるべきだよ、何の為にこの大学に来たの?ここに来るってことはまだ上を目指すんだよね?」
「目指すよ」
「女とか考えてる場合じゃないでしょ!」
「………葉月さんの言うとおりです」
またクッションを抱く
「私の為に体調崩すなら秋月くんとは付き合わないよ」