「嫌いじゃないよ、素直だし、可愛いなって思うしね、小野くんの聞き方もズルいよ」
「あれ?(笑)そうかな?敢えて翼のこと好き?って言わなかったのわかったんだ、さすがだね(笑)」
「好きって聞かれたらハッキリ好きとは言えない」
「だよね、翼一人で空回りしてるし、俺ならもう別れてって言ったんだからもう元カノじゃんて思って俺が翼なら葉月さんにガンガンいくけどな(笑)それが出来ない翼はまた優しいんだよな」
「やめて、小野くんがガンガンいくなんてイメージが………(笑)」
「俺だって普通の男だよ、翼が目立つだけでさ(笑)」
「普通に考えて、夕食しか会えなくて、それも仕事中でしょ、日曜日は一日練習、ここの大学ってバレー部強いから練習試合、遠征多いし、いつ話せるの?って恋愛してる暇はないでしょ?同じ大学ならともかくね」
「うちのバレー部が強いの知ってるんだ」
「私バレー部だったの、本とか読んでたから知ってるよ(笑)あっ、その身長でって思ったでしょ」
「すみません」
「いいよー」
「翼は多分部屋にこもって何も食べてないと思う」
「えっ、何かじゃあ用意するよ」
「俺は二人の気持ちわかるよ、出来たら翼のモチベーションをあげて欲しいって思ってる、絶対伸びるし、嫌いじゃないなら優しくして上げて下さい」
「わかった(笑)」
匠が食堂から出て、葉月はおにぎりと味噌汁を作った
もうー、本当に手がかかるな(笑)それも可愛いけどさ、アスリートが食事抜くって有り得ないから……
ブツブツと文句を言いながら夕食を用意して部屋に運ぶ
さてと
“ 部屋に来なさい!”
ノックの音がして葉月はドアを開けた
「入って」
「うん……」
テーブルの上のおにぎりに目がいく
「食べて」