12月23日、葉月は理奈と会っていた
「世間はクリスマスだよ、何かいいことないの?」
「うーん、聞いてくれる?」
理奈に翼の存在を話した
「それは女がその彼をキープしてるよね」
「キープ?」
「そう、かっこいいんでしょ?」
「うん、普通にモテると思う、寮の前に女子とかいて一緒に買い物行く人が言ってた、ファンの人よって」
「でしょうね、だから彼をつなぎ止めてたいのよ、自慢の彼氏にしたいの」
「じゃあ、何で浮気するんだろう」
「寂しいからじゃん、心も身体も」
「私は付き合ったことがないからわかんないや……」
「葉月が好きになるまで待って貰えばいいよ、会ってまだ二ヶ月なんだから」
「……うん」
“ 出かけてる?”
“ うん、友達と呑んでる”
“わかった、気をつけて ”
メールが入ってきたのを理奈に見せる
「優しいじゃん、気をつけてなんて(笑)」
「でも、帰ったら絶対聞かれるよ、誰と行ったの?とか」
「それは誰と付き合っても気になるもの、先に言っちゃえばいいのよ」
「そうなのか……勉強になる、理奈って付き合って何年?」
「二年だよ」
「ちゃんと彼のこと好き?」
「まあね、私も彼から告白されて付き合っていくうちに好きになったからさ、話してると変わってくるよ」
「わかった」
理奈と別れてコンビニに寄り寮の勝手口から部屋へ戻ると翼が前で待っていた
「おかえりー」
「いつから待ってんの?メールの時?誰かに見られたらどうするのよ」
「部屋来ていなかったからメールしたけど一度戻ったよ」
「本当に?」
「うん、でも談話室にいたけどね」
葉月は部屋の鍵を開ける