「いいな、私も変わりたい」

「でも時間が22時までだよ、彼氏と会えないよ」

「それはやだな、代わりがいないのもきついね」

「確かにどっちかが休むとかなり負担だけどそれなりにメニュー変えれるし何とかなってる」

「よかった、葉月が楽しそうで、乾杯〜(笑)」

まだ秋月くんのことは言えない……


大学も冬休みに入った

「年末年始はね28日から3日まで休みよ」

「いいんですか?」

「帰省する子もいるし、遠征いく部もあるからね、葉月ちゃんもゆっくり帰省するといいよ」

「ありがとうございます」


夕食の時間になり寮生がどんどんやってくる

部活も冬休みだから早く終わる部も沢山ある

バレー部が一度に6人ぞろぞろとやって来た

翼と匠の姿もあった

「お前ら実家帰るのか?」

「チケットとれたら帰ります」

匠が返事していた

「翼は彼女が待ってるから当然帰るよな」

葉月の手が一瞬止まった

「先輩、おしゃべりが過ぎます」

彼女がいる………えっ、だから付き合えないってことだったの?謝ったのは彼女がいるからなんだ……

「匠は彼女いないのか?」

「いませんね、先輩に麻雀に誘われて遊ぶ暇ないですよ」

翼とはあれ以来二人で会うことはなかった

連絡先も交換してないし、夕食も相変わらずギリギリですぐ二人で食堂から出ていっていた

あの日のことは何もなかったかのように日は過ぎていた

22時に電気を消して部屋に戻ると翼がいた

「鍵開いてた、不用心」

「じ、じゃあ、入っちゃ駄目じゃん」

「やっと時間取れたのに……」

クッションを抱いてゴロンと横になる

「俺らの会話聞こえたよね?」

「………何かな?」