「ねっ、お願い!俺を癒して……」
癒す………やっぱり今日のことショックなのかな…
「うーん、じゃあ、絶対内緒ね」
「やったー」
葉月を抱きしめた
「ちょっと、みんなが見てるから……」
「ごめん、超嬉しくて(笑)」
手を繋ぎ直してまた暫く歩く
嬉しそうに手をブンブンと振る
「(笑)秋月くんの方がやっぱ子供じゃん」
「えー、だって嬉しいんだもん、葉月さんの手作り〜」
「いつも食べてるし」
「男心がわかってないなー、俺だけにってところが嬉しいんじゃん」
そうなのか……
翼は立ちどまった
「ここ、登りたい」
翼が止まったところは恋人スポットと書かれてあった
「いいけど、ここに来たからって別れないとは限らないからね、私の友達別れたし」
「うん、登ろ」
何段もある階段を二人は手を繋ぎ登っていく
「葉月さん、しんどくない?」
「ハア、大丈夫、まだ若いから……ハァハァ」
「息きれてんじゃん(笑)抱こうか?」
「やだ!」
「無理しちゃって〜」
「無理じゃないー」
上まで登ると何組かのカップルがベンチに座ってイチャイチャしていた
つい、登っちゃったけど、私達カップルじゃなかった………
翼は看板を読んでいた
「夕日が綺麗なんだって」
「そう?」
「座ろ」
空いているベンチに座った
海が一望できる
「はあー、すげぇ」
翼はじっと海を見ていた
二人に沈黙が続く………
「あの、秋月くん?もしかして今日の試合のこと考えてる?」
「……うん、そうだね、考えないようにしようと思ってたけど………」
「えーと、アドバイスとかは出来ないけど、その、話くらいは聞けるからいつでも言ってね、一応年上だし……」
「年上が頼りになるとは限らないよ(笑)」