防波堤まで歩いて来た

「俺、釣りってしたことないんだよね、葉月さんはある?女の子はないかな?」

「女子だけどめっちゃあるよ、地元が海に近かったからね、お魚も漁師さんからよくもらったし刺身なんかは当たり前だったよ、スーパーであんなに少ないのに高くてびっくりしたもん、煮付けもよく食べてた」

「肉食わなかったから大きくならなかった?」

「肉も食べてたよ、も〜」

「そっか、葉月さん身長低いけどついてるとこはついてるもんね」

葉月の身体をじっと見る

「ちょっとー、見ないで、太ももとかやめて」

「胸より、太ももの方が恥ずかしいんだね、葉月さんやっぱ面白い(笑)」

「えっ、どこ見てたの?」

「胸(笑)」

葉月は手を繋いでないほうの手で翼をたたく

「痛いよ(笑)ちょっと葉月さん鞄も当たるし」

「もう〜恥ずかしいから見ないで!鞄はだって秋月くんが手を離してくれないからだし」

「わかった、わかった、ごめんー」

翼は手を離して葉月の肩を抱く

「行こう!俺も手汗かいてた(笑)」

翼に肩を抱かれた葉月は自然に翼の背中に手を回した


「ねえ、葉月さんて昔から料理してたの?」

「あー、うん、好きだったからしてたね、それこそ魚の小さいの何十匹ももらうからさ、お母さんと二人で処理してた」

「魚の煮付けが食べたいなー、カレイとか」

「寮でも煮付け時々出すじゃん」

「ちょっとしかないじゃん」

「まあ、切り身になっちゃうし、数いるからカレイとかは無理だね」

「魚買って帰ろ?作って」

「寮で?でも、二人で食べてたら食堂に誰か来たらダメじゃん」

「食堂じゃないよ、葉月さんの部屋だよ、葉月さんは食事運んで部屋で食べてるんだろ?」

「まあ、基本そうだけど…………」