海岸線を少し走ると駐車場があった
葉月は停めて
「降りるよ」
「ここどこ?」
「船に乗る」
「船?」
二人は車から降りた
小さな建物で往復の乗船券を買う
「あそこの小さい島に船で行けるのよ」
「へぇ」
10分ほど待つと船がやって来た
二人は券を渡し船に乗り込む
潮風に当たりながら5分ほどして到着した
島に降りると日曜日なので人も結構いた
「今は釣りする人が多いかな」
防波堤には釣り人が沢山いた
「夏はバーベキューやテントに泊まったりして賑やかなのよ」
「そうなんだ」
二人は少し島の周りを歩く
190センチもある身長とイケメンの翼は目立つ
すれ違う人もチラっと見上げて行く
葉月は少し翼の後ろにまわった
「ん?どうしたの?」
「……別に、何でもないよ」
「何?」
翼は耳を葉月の顔に近付けてくる
「だから何でもないってー」
「わっ、葉月さんの声、近くで聞くといいね、そそられる、この間は叫ばれたからさ(笑)」
「あれは秋月くんが……」
翼は葉月の手を持った
「ここら辺、木の枝とか沢山あるから葉月さん転げそう」
「わ、私そんなにトロくないよ」
葉月は頬を膨らませた
「(笑)いつもの葉月さんだ、行こ!部員以外の人といると俺、目立つからごめんね」
気づいてたんだ……
翼に手を握られ二人は歩き始める
「葉月さんの歩幅に合わせるからさ(笑)俺の1歩で葉月さん3歩くらい?」
「2歩かなー(笑)」
「嘘ー、へたしたら4歩とかじゃない?」
「もう、ひどー(笑)」
手汗かいてきちゃった……手繋ぐのなんて初めてだし緊張する……秋月くんの手は大きいしごつごつしてる
毎日ボールたたいてるんだもんね