「秋月くん、来たよ」
「……葉月さん!」
翼はベッドからおりて鞄を持つ
「待ってたよ」
ニコっと嬉しそうに言うと病室から出る
ナースステーションに立ち寄りエレベーターで一階に下りる
「お金払ってくるから待合で待っててくれる?」
「うん、これ、小野くんから預かってきたものだよ」
葉月は封筒を渡した
「ありがとう」
「大丈夫?」
「うん!あっ、でも心が大丈夫じゃない(笑)」
笑ってるのに………
「お待たせ〜、葉月さんどっか寄って帰ろ」
「寄るの?」
「だって、寮に帰っても部員いないしつまんないじゃん、葉月さんデートしよ!」
「ちょっと、デートって……」
「車どこ?」
「こっち」
二人は車に乗る
「どこか行きたいとこあるの?」
「海!」
「寒いけど大丈夫?」
「寒かったら走る(笑)」
「どこでもいい?」
「うん!」
何て可愛い返事をするかな……ペース狂う……
葉月は海岸線を走る
「わぁ、太陽が当たって海がキラキラしてるー」
「今日天気いいからね」
「こんな近くに海あったんだね」
「近くっていっても車だからよ、寮からだと車で30分くらいかかるから遠いよ」
「そっかー、大学と寮の往復だもんな……たまにはいいね、こういうのも頭をバレーから離すのもしなくちゃいけないかなー」
今日のことやっぱり気にしてるのかな
「小野くんが言ってたけど今日練習試合なんだって?」
「…………うん」
翼のテンションが急に落ちる
「じゃあ、少しゆっくりしようか?相手が私で申し訳ないけど(笑)」
「嬉しいー」
またすぐ笑顔になった
本当に気分で表情変わる子だなぁ