「えっ、それは助かるけどいいんですか?休みなのに」
「うん、暇だし(笑)小野くんも帰ったら行かなきゃって思うと集中できないでしょ?」
「まあ、確かに……俺……まだ正直言ってレギュラーは無理と思ってたんですよね、一年だし先輩も上手いし……でも、翼は病院であんなにくやしがっていてね、こいつ、レギュラー本気で狙ってるってビックリしたんです」
「みんな狙っていいんだよ(笑)チーム内で争うから強くなるんだよ」
「翼……実は夏頃から不調で……最近やっと楽しそうで調子も上がって来てたところだったんですよ、何か葉月さん来てからは楽しいみたいですよ」
「私?いつもからかわれてるのに?」
「(笑)じゃあ、お願いしていいですか?部屋に戻って翼の保険証とお金持ってきます」
「うん、わかった、あっ、やっとくからいいよ」
匠は部屋に戻った
葉月は匠の片付けと自分の夕食を用意していた
匠から保険証と封筒を受け取る
「封筒に現金と銀行のカードと保険証が入ってます、検査とかしてるので足らなかったら病院内のATMでおろすって言ってたので……」
「わかった」
「翼には連絡入れときました」
「うん、ありがとう、少しは頼れる女と見てくれるかな(笑)私いつも子供扱いされてるからね」
「翼、落ち込んでるんで励ましてやって下さい(笑)」
匠は頭を下げて食堂から出ていった
次の日、病院
「はぁ、退屈……」
ベッドから足がはみ出して天井をみて寝ている翼がいた
「葉月さんまだかな………」
一時間ほど過ぎて翼も少しウトウトしてきたところだった