それから夜中まで騒ぎ、楽しかった余韻をひきずりつつ何事もなく眠りにつき、無事に朝を迎えた。



部屋を包む明るい光。



反射する白壁の光がやけに目に射さる。



あたしが目をこすり、寝ぼけ頭で目を覚ますと、景が隣に寝ていた。



「あ~ねんみぃ……」



「ん~っ」



あたしの声で目を覚ました景が、すんなり腰に手を回し、唇を尖らせキスをせがんでくる。



明るく染めた茶色い髪に、透き通る肌。



一見いい男風な景だが、嫌いになったらそれすら愛しく感じやしない。


嫌気が差し出すと、人をとことん嫌いになるあたしは



「やめろっつうの」



と景に言い、今にも触れてしまいそうな唇に指を押し当て、その行為をあからさまに拒んだ。
すると


「なんだよ、しけるな。もういい。ほら、お前ら起きろ!」



遮られた唇から放たれた声は不機嫌そのもので、景はすぐに立ち上がると、みんなを起こし始めた。



「あ~んんっ?おはよっ…」



「朝だ。眠い…」



「優奈起きろ~」



朝方に寝始め、数時間しか寝ていないせいか飛び交う声は皆寝ぼけている。



その声を割るかのように不機嫌な景は、一人黙々と話し出した。



「俺これからバイトでここの鍵閉めなきゃなんないからさ。早く起きてくれよ。もう時間ねえし」



「え~っ!」



「マジで!?」



「ありえなくね?」


突然の出来事に景以外の全員は驚きを隠せない。



けれど、立ち上がるしかない状況に皆渋々支度を整え、フラフラしつつ寝癖頭のまま急いで部屋を出た。