男達がゲームをしている間、女三人は泊まる部屋を物色して回った。


三人でテーブルを囲み、上にあるいかにも旅館風なお茶を飲んで会話をかわす。


地元の権利がある男の話や、噛み付いたら潰しに来る危ない女の話。


調子にのってる生意気な後輩や、化粧の仕方やファッションの話。


くだらない会話を長々と続けていたら外はオレンジ色に空を染め、いつの間にか夕方になっていた。


「ったくアイツらいつまでゲームしてんだか」


なかなか部屋に来ない男達にあたしが一人、イライラしていると


「歩はすぐキレる~」


優奈が即座になだめ出す。


普段なら常にキレるのは優奈なのに、この日ばかりは違った。


「楽しみにきたから歩ちゃん、今日はキレない。いひっ」


「そう、キレんな。はぁ~今日泊まりなんてなんか信じられない」


優奈はドキドキが抑えられないのだろう。


頬をほのかに赤くし両手を当てた。


「夜隣でやったりすんじゃねぇ~ぞ!」


「するわけねぇべ、バカか!」


直球にからかうと、優奈の赤い顔はますます真っ赤に染まる。


「歩さん、うける~!」


唯も手を叩き笑いし、優奈を見て再び笑っていた。


「ここに寝るんだな。お~、いい部屋だ」


ゲームを終えた雅也と怜は声を荒げながら部屋に入ってきた。


入り口に視線を向けると、怜とまた目が合ったがあたしは故意に避け、知らないフリをして視線をズラす。


「なぁ!早いけど布団しこうぜ」


浮かれ気味の雅也が押し入れを勢いよく開け、何層にも重なった布団が顔を出した。


「雅也ったらぁ~早すぎ」


「やべ、唯、可愛い!!」


唯は雅也の背中へ回り、後ろから抱き付くと、雅也は態勢を変え唯を抱き締めた。


二人はラブラブな空気をかもちだす。


こいつらは、やっぱりうざい。


人前で恥ずかしがるどころか、二人はますます体を密着させ、みんなに見せつける。


「わかったから!お前ら消えろ!」


「歩さんひど~い」


唯の鼻にかかる甘ったるい声は、女のあたしからするとしゃくにさわる。


本当に嫌いだ。