泊まりに行く前夜はソワソワして深く眠れなかった。


真っ暗な部屋で寝返りをうっては彼にどんな顔をして会えばいいのか、服はどんなのを着ればいいのか。


頭でイメージを繰り返し、完璧に恋する女になっている。


怜に可愛いく見られたいし、今より好きがまして欲しいなんて思えてしまう。


そんなこんな考えていたが、あたしもさすがに人間。


眠気には勝てない。


いつの間にか睡魔に襲われ、あたしは気絶するように寝りについていた。


「ん…っ。はあぁ~ぬみぃ…だっりぃ…」


睡眠が足りない朝、ふらつきベッドから身を乗り出す。


朝一服でタバコをくわえ慣れた手つきで化粧をし、身なりを整えると、優奈との待ち合わせ場所へ向かった。


フッと空を見上げると、青々としていて曇り一つない空だ。


あたしの気持ちに似て、怜に会える嬉しさを表してるみたいだった。


優奈はあたしに気付くと、軽く手をあげる


「よう。歩ぅ~緊張するよぉ~どうしよう~」


泊まりに行く前から怜を意識していたのだろう。


会うなりクネクネして、腕に絡みついてくる。


「まずは行くべし!行ってから考えろ!」


自分の事はからっきしダメなくせ、人事だと強気。


というより所詮人事だったのかもしれない。


本当に自分を薄情な女だと思う。


駅に行き電車に乗ると、集合場所の駅へ向かった。


窓から見える景色は怜と初めて会った夜を思い出させる。


ここ通ってあの夜怜君に会ったんだな…。もうすぐ着いちゃうし…。怜君は優奈の彼氏なんだから邪魔しちゃいけないんだ。わかるな歩。


心に言いかけ、優奈と怜の応援組にまわるつもりだ。


優奈にとって大切な日で、あたしがでしゃばってはいけないとわかっていたから。


待ち合わせの駅に着くと、階段付近で雅也、唯、怜が待っていた。