ホッとしたのか優奈は目尻を下げ、あたしを見ると


「そういえば話題かわるけど、雅也に女友達紹介したんだけど」


「はぁあ!?誰!?」


つい最近別れた彼氏に女を紹介をするのは理解に苦しんだが、お構いなしに優奈は話題をふってくる。


「唯(ゆい)。同じ中学だったやたら拒食症並みに細い奴」


「え!!マジで!?あいつ!?」


唯はちょっと不良っぽい雰囲気があり、調子に乗ってる遊び人に見えてあたしは好きではなかった。


「でさぁ、うまくいっちゃったわけよ」


「付き合ったっての?」


「そう」


「ガチで意味わかんない!お前らなんなん!?」


気にくわない女がとてもいい奴の雅也とくっつく。


いい奴だが、優奈が好きと言ってたくせ心変わりが早過ぎる。


展開の速さについていけず、あたしは目をパチパチさせて固まってしまった。


そんなあたしを見て優奈は鼻で笑うと、話はまだ途切れない。


「まぁ、それはいいとして。その唯カップル、あたし、怜、歩で泊まらない?」


「はっ?」


訳がわからない。


ついていけない頭が馬鹿なのか、ついていけるのが今風なのか…


「雅也の友達の親が旅館やってるからタダで泊まれんだって。みんなで行こうよ。楽しそうじゃん」


「楽しそうだけど、あたし一人ノーマル?寂しいぃ~!」


「ははははっ!いいじゃん!お前は旅館の息子狙え、金持ちだ!」


あたしがふざけて両手を目に当て泣き真似をすると、優奈は腹を抱えて笑い出した。


さっきまで不安がったり、怒り気味になったり、今度は笑ったり。


コロコロ変わり過ぎてついていくのも疲れる。