「もういいよ。話すことないもん!歩、話してれば!」
優奈は電話を受け取ったが力を込め、すぐあたしに押し返した。
「喧嘩しっぱなしじゃだめだろが!」
「本当、いいから!」
二人の間に挟まれ、身動きできない立場がとても苦しい。
どっちかを選ぶなんて
あたしにはできない…
「ごめん怜君。優奈がかわりたくないって」
「だからもういいって」
「よくないよ!」
「あのさ、俺、優奈と別れていいか?」
「ダメ!!」
なぜかあたしは、必死に二人の中を取り繕うとしている。
優奈が傷付く姿は見たくない。
落ち込む姿など見たくない。
あたしはどうしたらいいんだ…
「歩ちゃん。俺とつきあって」
「ダメだよ…」
嬉しさと裏切りが入り混じり今にも溢れそうな涙を堪え、前歯で唇を噛み切ってしまいそうだった。
この場であたしが泣いたら、優奈が不審に思うだろう。
泣いてなんかいけないんだ。
「俺、本気だからな」
「……。電話切るね。バイバイ…」
聞こえている怜の言葉に返事をせず電話を切ると、優奈の顔を見るのがつらくなってきた。
いてもたってもいられなかったあたしは、その場に立ち上がり
「わりぃぃ〜〜あたし今日帰るわ。明日も学校やし」
そう言って、優奈の返事も聞かず逃げるように優奈の家を後にした。
優奈は電話を受け取ったが力を込め、すぐあたしに押し返した。
「喧嘩しっぱなしじゃだめだろが!」
「本当、いいから!」
二人の間に挟まれ、身動きできない立場がとても苦しい。
どっちかを選ぶなんて
あたしにはできない…
「ごめん怜君。優奈がかわりたくないって」
「だからもういいって」
「よくないよ!」
「あのさ、俺、優奈と別れていいか?」
「ダメ!!」
なぜかあたしは、必死に二人の中を取り繕うとしている。
優奈が傷付く姿は見たくない。
落ち込む姿など見たくない。
あたしはどうしたらいいんだ…
「歩ちゃん。俺とつきあって」
「ダメだよ…」
嬉しさと裏切りが入り混じり今にも溢れそうな涙を堪え、前歯で唇を噛み切ってしまいそうだった。
この場であたしが泣いたら、優奈が不審に思うだろう。
泣いてなんかいけないんだ。
「俺、本気だからな」
「……。電話切るね。バイバイ…」
聞こえている怜の言葉に返事をせず電話を切ると、優奈の顔を見るのがつらくなってきた。
いてもたってもいられなかったあたしは、その場に立ち上がり
「わりぃぃ〜〜あたし今日帰るわ。明日も学校やし」
そう言って、優奈の返事も聞かず逃げるように優奈の家を後にした。