「只今」
学校を出て下校した後、家の鍵を開けて、わたしはドアを開けて入った。
あー、なんだかもう嫌だ。あんな人とは、もう出来るだけ会わないようにしないと、後先面倒なことになりそう。
「はぁー!」
わたしは、深い溜息を吐いた。
彼と会わないようにするには、何か考えないとだな。
こういうことについて考えるとは、結構難しい。
とにかく、リフレッシュとしてマシュマロでも食べようかな。
わたしはバッグを開けて、マシュマロの袋を出した。
学校で食べる暇があまりなかったから、結構残っちゃったな。
大好きなマシュマロなのに、学校であまり食べないというのは、わたしとしては珍しいことだ。
「あら、帰ってたの」
仕事から帰ってきたばかりのお母さんが、わたしが部屋にいることに気づいて言った。
「あっ、お母さん」
「今日は仕事が早く終わったからね。あら、随分マシュマロ残してるじゃない」
お母さんは袋の中に、マシュマロが沢山残っていることに気づいた。
「あっ……。うん」
「どうしたの? なんだか顔が赤いけど」
「え?」
どういうことなの、わたしは思った。顔が赤いって、体調は全然悪くないのに。
「その様子からして、熱ではなさそうね」
「どこも具合は悪くないよ?」
「あら、そう? なら、いいけど」
お母さんは少しほっとして、わたしの部屋から遠ざかっていった。