学校から帰っても、元気は出ない。


結局、今日一日誠先輩と会うこともなく、連絡もこなかった。


律は、どんな相手でもすぐに仲良くなれるから、他の子達と帰っていった。


「なんか……すごい孤独……」


静かな部屋の中でポツンと一人。


6畳のフローリングが、やけに広く感じる。


私は、いつものようにゴロンとベッドへ横になった。


右手には、携帯電話を握り締める。


もしかしたら、律からメールがくるかも。


もしかしたら、誠先輩から電話がくるかも。


もしかしたら……。


そんな甘ちょろい考えだけで、携帯電話を握り締める。

自分から連絡を取る勇気なんて、ない。


だけど、誰かとつながっていたい。


だから待つばかり……。


ギュッと握り締めていた携帯電話を、右手がスッと離した。


携帯電話はそのままベッドの上に落ちて、右手は私の頬につたった涙をふいた。


そしていつの間にか、私は眠りについていた――。