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午後の授業も終わり、帰宅の準備をしていると私の後ろの席である北河清子(キタガワ セイコ)さんが声をかけてきた。


清子さんは170センチと背が高く、胸までのストレートヘアでものすごく美人だ。


おまけに勉強もできるから、私なんかが気楽に声をかけられる存在ではない。


そんな清子さんが私に声をかけてきたのだから、それはもう驚いた。


まるで、流れ星が自分に直撃したような驚き。


「碧さん、ちょっといい?」


美人で秀才な清子さんはそうやって私に話しかけてきた。


「はい?」


「あなた、さっきの授業で寝ぼけて『森山すぐる』って言ってなかった?」


そう言って、清子さんは長いまつげの目を細めた。


同姓でも、うっとりするしぐさだ。


「言いましたけど……」


その瞬間。


綺麗で、可愛い清子さんの顔がスッと冷たくなった。


え?何?


「すぐる、今度はあなたにちょっかいを出しはじめたのね」


「『すぐる』……?」


「私、すぐるの幼馴染なの。家が隣同士で、幼稚園から一緒よ」


予想外のその言葉に、私は悲鳴に似た声を上げた。